Power BI IF関数の複数条件完全ガイド|AND・OR・ネストの使い方と実践例を徹底解説

はじめに

Power BIでダッシュボードやレポートを作る際、「条件によって表示を変えたい」というニーズは非常に多いです。

そのときに必須となるのが<strong>「IF関数」</strong>です。

  • 「売上が目標を超えていたら『達成』と表示したい」

  • 「複数の条件を満たした場合に特定の値を表示したい」

  • 「3段階以上の条件分岐をしたい」

このような場合に<strong>IF関数+複数条件</strong>の組み合わせが欠かせません。

この記事では、Power BIにおけるIF関数の使い方を、<strong>単純な条件分岐からAND・ORの組み合わせ、複雑なネスト(入れ子)、さらにはSWITCH関数を使った効率的な分岐方法まで</strong>完全解説します。


1. IF関数とは?Power BIにおける基本構文

■ 基本構文

dax
IF(<条件>, <trueの場合の結果>, <falseの場合の結果>)

■ シンプルな例

dax
達成状況 = IF(Sales[売上] >= 100000, "達成", "未達")
売上 達成状況
150000 達成
80000 未達

✔ ExcelのIFと基本的な考え方は同じ。


2. IF関数で複数条件を指定する方法

■ 方法1:ANDを使う

dax
IF(AND(条件1, 条件2), 結果1, 結果2)

■ 具体例

dax
達成状況 =
IF(
AND(
Sales[売上] >= 100000,
Sales[利益率] >= 0.2
),
"高達成",
"未達"
)
売上 利益率 達成状況
150000 0.25 高達成
120000 0.15 未達

■ 方法2:ORを使う

dax
IF(OR(条件1, 条件2), 結果1, 結果2)

■ 具体例

dax
アラート =
IF(
OR(
Sales[売上] < 50000,
Sales[利益率] < 0.1
),
"注意",
"正常"
)
売上 利益率 アラート
40000 0.15 注意
60000 0.08 注意
70000 0.12 正常

3. IF関数のネスト(入れ子)による多段階分岐

■ 3段階の分岐例

dax
評価 =
IF(
Sales[売上] >= 150000, "優良",
IF(
Sales[売上] >= 100000, "普通",
"低迷"
)
)
売上 評価
160000 優良
110000 普通
80000 低迷

■ ポイント

  • IFを入れ子にすることで複数の段階を作れる

  • ネストが深くなると見づらくなる


4. SWITCH関数でより簡潔に複数条件分岐

■ SWITCHの基本構文

dax
SWITCH( <式>, 値1, 結果1, 値2, 結果2, ..., その他 )

■ 例:評価ランク

dax
評価 =
SWITCH(
TRUE(),
Sales[売上] >= 150000, "優良",
Sales[売上] >= 100000, "普通",
"低迷"
)

✔ TRUE()を使うことでIFのネストよりも読みやすい。


5. 複数条件の実践的な組み合わせパターン

条件 DAXの書き方
AかつB AND(A, B)
AまたはB OR(A, B)
Aかつ(BまたはC) AND(A, OR(B, C))
AかつBが成立、かつCまたはD AND(AND(A, B), OR(C, D))
Aが〇以上かつBが×以上で、Cが△未満なら… IF(AND(A >= 〇, B >= ×, C < △), “○”, “×”)

6. よくあるエラーと解決法

■ エラー1:論理式の誤り

原因 条件式のカッコ不足、AND/ORのネストミス
解決 カッコの階層を明確に。TRUE()+SWITCHも推奨。

■ エラー2:データ型の不一致

原因 数値と文字列を比較している
解決 データ型を確認。BLANK処理も検討。

■ エラー3:ネストが深すぎて可読性低下

原因 IFの多用
解決 SWITCHに置き換え、論理を整理。

7. 実務での活用事例

■ 小売業の店舗評価

  • 売上+利益率+在庫回転率の3条件で店舗を「A」「B」「C」にランク分け

■ 製造業の品質アラート

  • 欠陥率>5% かつ 出荷量>1000なら「重大アラート」

  • 欠陥率>3%なら「注意」

  • それ以外は「正常」

■ サービス業の顧客セグメント

  • 年齢、来店頻度、購買金額から「VIP」「一般」「新規」などに分類


8. ベストプラクティスとまとめ

✔ ポイント

  • 単純な2択 → IF

  • 複数条件でAND/OR → IF+AND/OR

  • ネストが深い → SWITCH(TRUE())で簡潔化

  • エラー対策 → カッコ、データ型、BLANK処理を確認

✔ 結論

Power BIで複雑な条件分岐を行う際は、<strong>「IF+AND/OR」→「ネストIF」→「SWITCH」</strong>と段階的に選択するのがベスト。


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