Power BI LOOKUPVALUE完全解説|使い方・構文・事例・エラー対策まで徹底ガイド

はじめに

Power BIで異なるテーブル間のデータを参照する際に便利なのが、LOOKUPVALUE関数です。
この記事では、LOOKUPVALUEの基本から応用、エラー対策まで徹底的に解説します。

1. LOOKUPVALUEとは?概要と特徴

LOOKUPVALUEは、指定した条件に一致するテーブルの値を取得するDAX関数です。
Excelで言えばVLOOKUPやXLOOKUPのような役割を果たします。

■ どういう時に使う?

  • コードから名前を取得したい
  • 商品IDから価格を参照したい
  • 複数条件でマスターデータを参照したい

■ 特徴

  • リレーションが無くても動作
  • 複数条件の検索が可能
  • 計算列・メジャーどちらでも使える

■ 注意点

  • 完全一致のみ対応
  • 複数一致するとエラー
  • 大量データは処理が遅い

2. 構文と使い方

■ 構文

LOOKUPVALUE(
    <結果列>,
    <検索対象列1>, <検索条件1>,
    [<検索対象列2>, <検索条件2>]...
)

■ パラメータ

パラメータ 説明
<結果列> 取得したい列
<検索対象列> 検索する列
<検索条件> 検索する値

3. シンプルな使用例

■ 例

売上テーブルに顧客名を追加

■ DAX

Customer Name = 
LOOKUPVALUE(
    Customer[CustomerName],
    Customer[CustomerID],
    Sales[CustomerID]
)

■ 出力結果

SalesID CustomerID SalesAmount Customer Name
S001 C001 50000 田中太郎
S002 C002 60000 鈴木花子

4. 複数条件での使用

■ 例

商品コード+顧客コードで単価を取得

■ DAX

Unit Price = 
LOOKUPVALUE(
    PriceList[UnitPrice],
    PriceList[ProductID], Sales[ProductID],
    PriceList[CustomerID], Sales[CustomerID]
)

■ ポイント

  • 複数条件はペアで指定
  • 完全一致のみ

5. エラーと解決策

■ 複数一致エラー

「A single value for column 〇〇 cannot be determined…」

  • 原因:検索条件がユニークでない
  • 解決策:データの正規化 or CALCULATE+FILTERで代用

■ BLANK(空白)になる

  • 原因:一致するデータが無い
  • 解決策:COALESCEやIFで代替値を設定

■ 処理が遅い

  • 原因:大量データ+複数条件
  • 解決策:リレーション活用 or TREATAS

6. パフォーマンス向上のコツ

  • リレーションが組めるなら優先
  • インデックス性のある列(主キー)を検索条件に使う
  • 複数条件より単一キーを作成する

7. LOOKUPVALUEの代替手法

■ RELATED

リレーションがある場合の最速手段

Customer Name = RELATED(Customer[CustomerName])

■ CALCULATE+FILTER

複数一致も集計で対応

Customer Name = 
CALCULATE(
    MAX(Customer[CustomerName]),
    FILTER(
        Customer,
        Customer[CustomerID] = Sales[CustomerID]
    )
)

■ TREATAS

仮想的なリレーションを作る高度な方法

8. 実務での活用事例

  • 製造業:SKUから在庫情報を取得し欠品アラート
  • 小売業:顧客属性を売上データに結合しターゲット分析
  • サービス業:顧客満足度データをマスタに統合

9. LOOKUPVALUEまとめと選び方

項目 LOOKUPVALUE RELATED+CALCULATE
リレーション 不要 必要
複数条件 可能 より柔軟
パフォーマンス 小中規模向け 大規模でも安定
エラー対応 ユニーク必須 集計で解消可能

10. 【結論】LOOKUPVALUEを極める

小〜中規模のデータで簡単にマスターデータを引っ張るには最強。
複雑なロジック、大量データにはCALCULATE+FILTERが推奨。
リレーションが組めるならRELATEDの方が高速です。

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