Power BI で始める帳票作成|ページ付きレポートを活かした効率的な書類管理

「BI ツール」として広く認知されている Power BI ですが、視覚的に優れたダッシュボードやレポートだけでなく、請求書・納品書・明細書などの「帳票作成」にも利用できることをご存じでしょうか?本記事では、Power BI を使って帳票(ページ付きレポート)を作成する方法や、ビジネスでの活用メリット、注意すべきポイントを解説します。


帳票作成と Power BI の位置づけ

帳票とは?

帳票とは、請求書や納品書、作業指示書、在庫リストなど、業務において必要な書類のことです。紙ベースはもちろん、PDF 化して取引先や社内で共有したり、システムに取り込んで管理したりするケースもあります。

Power BI の強み

Power BI はもともとデータ分析や可視化に強みを持つツールです。一方で、Power BI Report Builder などの機能を使うことで、より「帳票」らしい形式のレポートを作成し、印刷や PDF 出力しやすい形に仕上げることができます。

  • インタラクティブなレポート(ブラウザ上で操作するダッシュボード)と
  • ページ付きレポート(印刷向け、従来型の帳票イメージ)
    この 2 種類を使い分けられるのが Power BI の特徴です。

Power BI での帳票作成に必要な機能

  1. Power BI Report Builder(ページ付きレポート)
    従来の SSRS(SQL Server Reporting Services)の技術をベースとしたツールで、紙媒体や PDF、Excel などに出力しやすい「固定レイアウト」のレポートが作成できます。表や行列、テキストボックスなどを使い、定型の帳票に近いデザインを再現可能です。

  2. Power BI サービスとの連携
    Power BI サービスにデプロイすることで、レポート閲覧者はクラウド経由でいつでも最新の帳票にアクセスできます。また、権限管理を通じて、機密情報を必要な人だけが見られるように設定できます。

  3. データソースとの接続・更新
    Excel ファイルやデータベースなど、あらゆるデータソースから必要な情報を取り込み、最新の状態に自動更新できます。これにより、手動でシステムから抽出して帳票を作成していた従来の工程を削減し、ミスや作業時間の大幅なカットが期待できます。


帳票作成の手順

  1. データモデルの設計
    最初に Power BI Desktop や Power Query を使い、帳票に必要となるテーブルやリレーションシップ、メジャー(集計)を整備します。ここでメジャーをしっかり定義しておけば、後で作る帳票にもそのまま活用できます。

  2. レポートの作成

    • Power BI Report Builder を使う:

      1. 帳票のレイアウトをデザイン(テキストボックス、表、グループ化など)。
      2. Power BI サービスのデータセットや、直接データベースなどに接続して、データを配置。
      3. プレビューでレイアウトを確認しながら微調整。
    • Power BI Desktop でも類似のレイアウトを実現する場合もありますが、より「紙」の帳票に近い形式を目指すなら Report Builder が適しています。

  3. ページ設定とエクスポート
    帳票として印刷や PDF 化を行う場合、ページサイズや余白、ヘッダー・フッターの設定がポイントです。完成後は PDF、Word、Excel などにエクスポートできます。

  4. 共有・配布
    作成した帳票は、Power BI サービスに発行して必要な人に共有したり、PDF としてメール送付したりと、多様な形式で活用できます。これにより、社内や取引先とのスムーズな情報共有が可能になります。


帳票作成を Power BI で行うメリット

  1. 最新データの自動反映
    紙や Excel ベースでの帳票作成では、データ抽出のたびに手作業が必要でしたが、Power BI は接続先データが更新されると自動的にレポートにも反映されます。

  2. 集計・分析が容易
    単なる帳票としてだけでなく、同じデータを活用してダッシュボードや可視化したレポートを作れるため、レポート結果をそのまま BI ツールで深掘り分析できます。

  3. アクセス制御とガバナンス
    Power BI サービスのセキュリティ機能により、ユーザー単位やグループ単位で閲覧権限をコントロールできます。センシティブ情報の取り扱いにおいても安全面が確保しやすいです。

  4. 従来ツールとの互換性
    PDF、Word、Excel 形式へのエクスポートが可能なので、外部とのやり取りやアーカイブが従来フローと違和感なく行えます。


注意点・デメリット

  • ページ付きレポートは別途ライセンスやエディションが必要な場合がある
    Power BI Report Builder や Paginated Reports(ページ付きレポート機能)は、Premium ライセンスが必要となるケースがあります。導入前にライセンス体系を確認しましょう。

  • 複雑な帳票デザインには設計のノウハウが必要
    単純な表やリストであれば比較的容易ですが、かなり凝ったレイアウトを再現するにはツールの使い方やレイアウト設計、データモデルの深い理解が求められます。

  • 印刷環境との調整
    どうしても紙の印刷が必要なケースでは、プリンタ設定やページ余白などを細かく調整する作業が発生することがあります。特に PDF エクスポートの場合、フォントや改行位置の確認は入念に行いましょう。


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「Power BI で帳票を作りたいけど、設定が難しそう」「既存の帳票をどう移行したらいいの?」「そもそもデータがバラバラで統合できていない」など、Power BI やデータ活用でお悩みの方はぜひお気軽にご相談ください。
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まとめ

Power BI を使えば、従来の BI レポートやダッシュボードのみならず、ビジネスに欠かせない帳票(ページ付きレポート)の作成も可能です。データソースと直接連携して自動更新できる仕組みや、共有・エクスポートの柔軟性は、紙ベースの帳票作成にはなかった大きなメリットと言えます。

ただし、より複雑な帳票デザインを実現するには、ページ付きレポート機能(Report Builder)の使い方や、Power BI のライセンス体系、データモデルの設計方法など、押さえておくべきポイントが多いのも事実。もしお悩みや課題があるなら、無料相談やハンズオンセミナーなどを活用して、スムーズな帳票作成とデータ活用の両立を目指しましょう。

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