Power BIは、企業のデータをビジュアル化し、わかりやすい形で共有・分析できる強力なツールです。シンプルな棒グラフから複雑な複合グラフまで、さまざまな形式のチャートを作成することで、意思決定の質を大きく高めることが期待できます。しかしながら、「具体的にはどうやって作るのか」「必要な手順や設定項目が多くてよくわからない」と戸惑う方も少なくありません。
Power BIでグラフを作る際の基本的な流れや、よく使われるビジュアルの特徴、使いこなすためのポイントなどをできるだけわかりやすく解説します。また、弊社が提供している無料相談やコンサルサービス、さらに実務に直結したスキルを身につけられるセミナー情報もあわせてご紹介いたします。自社でデータ活用を進めるうえでのヒントや課題解決につながる内容を網羅していますので、ぜひ参考にしてみてください。
1. グラフを作る基本的な流れ
(1) データの取り込み
まずは、Power BI Desktopを起動してデータを取り込みましょう。ExcelファイルやCSV、データベースなど、多様なデータソースに対応しています。画面上部の「データを取得」ボタンをクリックし、該当するデータソースを選択して読み込み設定を行います。
(2) データの整形(クエリエディター)
取り込んだデータに欠損や不要な列がある場合は、Power Query Editor(クエリエディター)で整形を行います。データ型の指定や列の分割・結合、不要な行の削除など、分析しやすい形に加工することが非常に重要です。ここでの整形作業を丁寧に行うことで、後々のビジュアル作成やDAX関数による集計がスムーズになります。
(3) データモデルの設計
複数のテーブルを扱う場合は、リレーションシップ(テーブル同士の関連付け)を設計し、適切に設定しておきましょう。データモデルが整理されていると、グラフを作成する際の集計やフィルターが意図通りに機能しやすくなります。また、必要に応じて新しい列やメジャーをDAX関数で追加しておくのも効果的です。
(4) レポートビューでビジュアルを作成
Power BI Desktop画面左のレポートビューに切り替えると、様々なビジュアル(棒グラフ、折れ線グラフ、円グラフ、テーブルなど)がアイコンで表示されています。使いたいビジュアルをクリックまたはドラッグ&ドロップして、キャンバス上に配置しましょう。
- フィールドの配置
右側の「フィールド」ペインから集計したい列(フィールド)をドラッグして、ビジュアルの「軸」や「値」などの場所に追加します。たとえば「売上金額」を「値」に置き、「日付」や「商品カテゴリ」などを「軸」に置けば、売上金額を時系列やカテゴリ別にグラフ化できます。 - レイアウト・デザインの調整
グラフを大きくしたり、色やラベルを変えたり、タイトルを付与したりといった細かいカスタマイズも可能です。視認性の高いデザインにすることで、データのポイントをより明確に伝えられます。
(5) フィルターやスライサーの追加
レポート内にスライサー(フィルターボックス)を追加することで、ユーザーが任意の条件でデータを絞り込めるようになります。たとえば「年度」や「地域」などのスライサーを用意すれば、ワンクリックで表示内容を切り替えられる、対話型の分析レポートが完成します。
(6) データの更新と公開
Power BI Desktopでレポートを作成・保存したら、必要に応じてPower BI Service(クラウド)に発行しましょう。社内で共有したり、Webブラウザやモバイルアプリから閲覧・操作できるようになります。定期的にデータを更新する仕組みを整えれば、常に最新情報に基づいた意思決定が可能です。
2. よく使われる代表的なグラフと活用ポイント
(1) 棒グラフ
売上や件数など、定量データをカテゴリ別に比較する場面で最もよく使われるグラフです。カテゴリ(軸)を横または縦に並べ、一目で大小関係がわかるため、意思決定者にも直感的に伝わりやすいのが特徴です。
(2) 折れ線グラフ
時系列の推移を表すのに適しています。売上やアクセス数、在庫数などがどのように変化しているかを把握したいときに便利です。複数の系列を重ねて表示することで、トレンド比較にも活用できます。
(3) 円グラフ/ドーナツグラフ
全体に対する各カテゴリの割合を示す際に用いられます。ただし、カテゴリ数が多いと視認性が落ちるため、3~6カテゴリ程度に抑えるのがおすすめです。
(4) 集計テーブル/マトリックス
文字通り表形式のビジュアルです。数値を一覧で表示できるので、詳細データの確認には欠かせません。行や列に異なるカテゴリを配置することで、クロス集計が簡単に行えます。
(5) コンボチャート
棒グラフと折れ線グラフを重ね合わせた複合グラフです。売上金額(棒)と利益率(線)といった、異なる指標を同時に表したい場合に有用です。
3. トラブルシュートと注意点
-
数値が合わない、意図しない集計結果が出る
データのリレーションシップやDAXメジャーの定義に原因がある場合が多いです。まずはモデルの構造を見直し、フィルターの方向やクロス集計の設定を確認しましょう。 -
グラフが複雑になりすぎて見づらい
色や系列が多すぎると、かえって情報が伝わりにくくなります。分析の目的に合わせて、必要最小限のビジュアルに絞ることや、複数のページに分ける工夫をしてみてください。 -
データ更新のタイミングを自動化したい
Power BI Serviceに発行し、ゲートウェイを用いて定期的に自動リフレッシュを設定することで、手動で更新作業をしなくても最新データを参照できるようになります。
4. もっと深く学びたい方向け:DAX関数とデータモデル設計
シンプルなグラフを作るだけでも大きなメリットがありますが、より高度な分析や複雑な要件に対応するにはDAX関数の理解やデータモデルの設計力が重要です。たとえば、前年同期比を自動計算したり、売上の累計を特定期間で絞り込むような分析は、DAXの基礎をおさえておくと格段に効率よく実現できます。
5. 無料相談やコンサルサービスで最短ルートを実現
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まとめ
Power BIでビジュアル(グラフ)を作成するときは、
- データ取り込み
- クエリエディターでの整形
- 適切なデータモデルの設計
- レポートビューでのビジュアル配置
- スライサーやフィルターの設定
- 更新と共有
といった基本の流れを押さえることが大切です。さらに、DAXを活用したメジャーの作成や高度な分析機能を使いこなせば、ビジネスに活かせる洞察を得やすくなります。
しかしながら、実際の業務に落とし込むとなると「どうしてもうまくいかない」「集計結果が想定通りにならない」といった壁に直面することもあるでしょう。そういった場合には、外部の知見を取り入れるのが近道です。弊社では無料相談からコンサルティング、そして実務に役立つスキルが身につくセミナーを通じて、多角的にサポートを提供しています。データ活用を加速させ、組織全体の生産性と競争力を高めるためにも、ぜひご検討ください。
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