【徹底解説】Power BI でグラフの色を自在に変更!レポートを見やすくする配色テクニック

1. はじめに

1.1 Power BI とは

Power BI(パワー・ビーアイ)は、Microsoft が提供するビジネスインテリジェンスツールです。データの取り込みから加工、ダッシュボードやレポートの作成、共有といった一連のデータ分析作業を一つのプラットフォームで行うことができます。多彩なビジュアル(グラフやマップなど)が用意されており、ユーザーはドラッグ&ドロップの操作で見やすい分析レポートを作成できます。

1.2 なぜ色変更が重要なのか

Power BI のメリットの一つは、直感的に理解しやすいビジュアル表現にあります。しかし、分析レポートで使用する色の選択を誤ると、情報を正しく伝えにくくなる場合があります。企業のブランドカラーを使いたい、比較しやすい色を設定したい、分かりやすい配色で強調したいなど、色は非常に重要な要素です。そこで、本記事では Power BI のグラフやビジュアルの色をカスタマイズし、自分の意図やデザインに沿ったレポートを作成する方法を解説します。


2. Power BI で色を変更する基本的な方法

2.1 色の変更が可能な要素の例

  • データ系列(棒グラフや折れ線グラフの棒や線の色)

  • ラベルや軸タイトルの文字色

  • 背景色や枠線の色

  • 凡例のフォント色や背景色

Power BI では、グラフそのものの色だけでなく、文字や背景の色も自由に変更できます。デザインや強調したいポイントに応じて、様々な要素を変更するとより見やすいレポートを作ることができます。

2.2 “Data Colors(データの色)”の使い方

Power BI Desktop で任意のグラフをクリックすると、右側にある「Visualizations(ビジュアル化)」ペインがアクティブになります。そこから “Format(形式)” または “データの色” といったタブを選択すると、グラフに使用されている色をカスタマイズできます。

2.3 “Visualizations(ビジュアル化)”ペインからの操作方法

  1. 対象のグラフをクリックして選択

  2. 右側の “Visualizations”“Format” (または“形式”) を展開

  3. “Data Colors” (または“データの色”) を探す

  4. 各カテゴリや系列ごとに色を選択

  5. 必要に応じて“Custom Color”から色コード指定


3. テーマ機能を活用したカスタマイズ

3.1 テーマ機能とは

Power BI には、レポート全体の配色を統一できる “テーマ” 機能が用意されています。Microsoft が標準で用意しているテーマを選択するだけで、全てのグラフや形状などに対して一括で色を適用できます。

3.2 テーマ機能による一括変更のメリット

  • 複数のビジュアルがあるレポートでも、色を整合性をもってそろえられる

  • 企業のブランドカラーに合わせたカスタムテーマを作成し、使い回しができる

  • 配色に迷わず、レイアウトに集中できる

3.3 既存テーマの選択とカスタマイズ

  1. Power BI Desktop の “View” (表示) タブをクリック

  2. “Themes” (テーマ) から使用したいテーマを選ぶ

  3. “Customize current theme” (現在のテーマをカスタマイズ) から詳細を編集

テーマをカスタマイズする際には、主題色や強調色、背景色などを細かく設定できます。ここで設定した色がレポート全体に反映されるため、わざわざ各グラフを個別に設定し直す必要がなくなります。


4. カスタム色を活用する方法

4.1 カスタム色パレットの作成

企業やプロジェクトで使いたい特定の配色(ブランドカラーなど)がある場合は、カスタムパレットを作成すると便利です。Power BI の “Theme” カスタマイズ画面で、“Advanced” (高度なオプション) を開けば、カスタマイズした色をパレットとして登録できます。

4.2 HTML カラーコードの入力

カスタム色を指定するときは、HTML(HEX)形式のカラーコード(例:#FF5733)や、RGB (Red, Green, Blue) の数値指定が可能です。デザイナーから受け取ったブランドカラーコードをそのまま入力すれば、正確に色を再現できます。

4.3 特定の要素への色設定

棒グラフなどでカテゴリごとに色を変えたい場合は、“Data Colors” の中で該当するデータ項目をクリックし、そこでカスタムカラーを設定します。複数の系列がある場合はそれぞれ個別に指定することで、思い通りの配色が実現できます。


5. 実践:色変更のステップ・バイ・ステップ

ここでは、いくつか代表的なグラフを例にとって、色変更の手順を具体的に紹介します。

5.1 バーチャート(縦棒グラフ)の色を変えてみる

  1. バーチャートを選択
    レポートキャンバス上のバーチャートをクリックします。

  2. Visualizations ペインを確認
    右の “Visualizations(ビジュアル化)” ペイン → “Format(形式)” タブを開きます。

  3. Data Colors(データの色) の展開
    「Data Colors」を展開すると、現状の色が表示されます。

  4. 新しい色を選択
    各系列名の横にある色のサンプルをクリックして、希望の色を選ぶかカスタムから HTML コードを入力します。

5.2 パイチャートの色を変えてみる

  1. パイチャートを選択

  2. 同じく“Format”タブを開く

  3. Data Colors(データの色) で各スライスの色を変更
    パイチャートでは、カテゴリごとに色を指定することになります。スライスの名前(カテゴリ)ごとに色を選択します。

5.3 複数カテゴリの色分けテクニック

  • 売上高をカテゴリー別に色分け

  • 地域別売上を地図で色分け

  • 予実管理で実績と予算の色を分けて強調

こうしたシナリオでは、あらかじめカテゴリが多数ある場合に、自動割り当ての色だと見分けにくいことがあります。ユーザーが意図的にカテゴリごとに色を割り当てることで、比較や分析がさらにスムーズになります。


6. 色設定のベストプラクティス

6.1 視覚的に見やすい配色のコツ

  • コントラストをしっかりつける:文字色と背景色の差を大きくし、可読性を高める。

  • 多用しすぎない:色が多すぎると情報過多になりやすい。

  • 重要な部分にのみ強調色を使う:視線誘導を促し、注目してほしいデータを際立たせる。

6.2 色覚バリアフリーの考え方

ユーザーによっては色覚特性の違いがあり、一部の色の識別が困難な場合があります。Power BI には “テーマのカスタマイズ” でコントラストを高めたり、色の選択を工夫することで対応できる場合が多いです。たとえば、赤と緑を同時に使う際は注意が必要です。文字やパターン、アイコンの追加など、色以外の要素でも区別できると良いでしょう。

6.3 レポート全体の統一感を保つポイント

色は統一感がないと、見栄えが散らかった印象を与えます。企業ロゴや公式資料と同じ配色を使う、テーマ機能で統一するなど、レポート全体を見据えて配色を管理すると、よりプロフェッショナルな印象を与えられます。


7. よくあるトラブルと対処法

7.1 テーマを変更したのに色が反映されない

Power BI では、個別に設定したグラフの色がテーマ設定より優先されることがあります。一度、グラフ個別の色設定をリセット(“Default Color”など)に戻してからテーマを適用すると解決する場合が多いです。

7.2 グラフごとに色がバラバラになってしまう

テーマでは一括管理しているつもりでも、手動で色を変えた履歴が残っている可能性があります。各グラフの “Data Colors” 設定を確認し、不要なカスタマイズを解除すると、統一した配色に戻せます。

7.3 デフォルトの色に戻すには?

“Reset to default” (または“既定にリセット”) のボタンが提供されている場合があります。これをクリックすると、そのビジュアルがもともと持っている標準の配色に戻すことができます。また、テーマ自体を “Default” (既定テーマ) に戻す方法もあります。


8. まとめ

8.1 本記事のおさらい

  • Power BI のビジュアルの色変更は、“Data Colors” から個別に設定

  • テーマ機能を使えばレポート全体の色を一括管理

  • カスタム色や HTML カラーコードを使ってブランドカラーに最適化

8.2 今後の学習リソース紹介

  • Microsoft 公式ドキュメント
    Power BI docs

  • コミュニティフォーラム
    Power BI コミュニティや、SNS などで他のユーザーの事例が見られます。

8.3 次のステップ

色のカスタマイズに慣れてきたら、条件付き書式カスタムビジュアル など、さらに高度な活用方法を試してみましょう。例えば、数値の条件で色を変えたり、独自のグラフをインポートしてオリジナリティを高めたりできます。

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