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エリア別の売上をマップ上で確認したい、顧客の所在地をプロットして商圏を把握したい、配送ルートや店舗分布を地図で見える化したい。こうした地図を使ったデータ分析のニーズは、業種を問わず非常に多くあります。
Power BIには以前から地図系のビジュアルが搭載されていましたが、2020年以降に標準機能として追加されたAzure Mapsは、従来の地図ビジュアルよりも表現の幅が大きく広がり、より実務に使いやすいものになっています。この記事では、Azure Mapsとは何か、既存の地図ビジュアルとの違い、具体的な使い方、活用シーンまでをわかりやすく解説します。
Azure Mapsとは——Power BIの地図ビジュアルはどう進化したか
まずPower BIに用意されている地図ビジュアルの種類を整理しておきましょう。代表的なものとしてマップ(バブルマップ)、塗り分けマップ(図形マップ)、Azure Mapsの3種類があります。それぞれ用途と特性が異なります。
従来のマップは、緯度・経度や住所のデータを渡すと、該当する位置に円を表示するシンプルなビジュアルです。設定が簡単な反面、カスタマイズの余地が少なく、デザインや表示レイヤーの変更ができませんでした。塗り分けマップは地域ごとの集計値を比較するのに適していますが、形状データの扱いにやや手間がかかります。
これに対してAzure Mapsは、MicrosoftのクラウドサービスAzureが提供する地図プラットフォームを統合したビジュアルです。バブル表示はもちろん、ヒートマップや3Dバー表示など複数のレイヤータイプを持ち、地図のスタイルも自由に切り替えられます。データの密度や分布を視覚的に豊かに表現できる点が最大の特徴です。
Azure Mapsをレポートに追加する方法
Azure Mapsは多くのPower BI Desktopバージョンに標準搭載されています。ビジュアライゼーションペインの中にAzure Mapsアイコンが表示されていれば、そのままクリックするだけでレポートに追加できます。
もし表示されていない場合は、その他のビジュアルからAppSourceからビジュアルを取得を選び、Azure Mapsと検索してください。追加したAzure Mapsビジュアルには、主に以下のフィールドが用意されています。
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場所:住所、都市名、緯度経度などの地理情報を入力
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サイズ:バブルの大きさの根拠となる数値(売上金額や件数など)
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凡例:色分けの基準となるカテゴリ列
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ツールチップ:マウスオーバー時に表示させたい補足情報
レイヤーの種類と使い分け——バブル・ヒートマップ・3Dバー
Azure Mapsの魅力は、レイヤータイプを切り替えることで表現の意味合いを変えられる点にあります。
バブルレイヤー
データポイントを円の大きさと色で表現する形式です。地点間の大小比較をひと目で伝えるのに向いています。円の透明度なども調整できるため、デザイン性が高いのも魅力です。
ヒートマップレイヤー
データが集中している場所ほど暖色で表示する形式です。顧客の居住地分布や事故件数の集中エリアなど、どこに密度が高いかを面的に把握したいときに有効です。点データが多すぎて重なってしまう場合も、ヒートマップなら全体像が掴みやすくなります。
3Dバーレイヤー
地図上に棒グラフを立体的に表示します。視覚的なインパクトが強く、プレゼン用ダッシュボードなどで重宝されます。ただし、棒が重なり合うこともあるため、データ密度が適度な場合に真価を発揮します。
地図スタイルのカスタマイズ
Azure Mapsでは、レポートのトーンに合わせて地図のデザインを自由に変更できます。
| スタイル名 | 特徴・用途 |
| 道路 | 標準的なデザイン。建物や道路がわかりやすく現場向き。 |
| グレースケール(明・暗) | 色を抑えたスタイル。データの色を際立たせたいときに最適。 |
| 航空写真 | 実際の地形を確認したい不動産や建設業の分析に。 |
| ナイト | ダークモードのダッシュボードに。都会的でクールな印象。 |
住所データから地図へ——ジオコーディングの仕組み
緯度・経度を持っていない場合でも、Azure Mapsなら安心です。場所フィールドに住所を入れるだけで、Power BIが自動的に緯度・経度へ変換してプロットしてくれます。
ただし、精度を上げるには東京都渋谷区のように都道府県から記述するのがコツです。より厳密な位置プロットが必要な業務であれば、あらかじめマスタデータに緯度・経度列を付与しておくのが、地図分析の精度を高める土台になります。
Azure Mapsの実務活用シーン
Azure Mapsは多岐にわたるビジネスシーンで活用されています。
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小売・飲食:店舗別の売上をバブルで表示し、商圏調査や新規出店時の空白地帯の発見に活用。
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不動産・建設:物件の位置をプロットし、エリア別の成約率や工期進捗をマップ上で管理。
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物流・配送:配送件数の地域分布をヒートマップで可視化し、ドライバー配置の最適化に。
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営業:顧客所在地と担当拠点を重ね、エリアの偏りやカバー不足がないかを視認。
Azure Mapsを使う際に気をつけたいポイント
非常に便利なビジュアルですが、以下の3点は押さえておきましょう。
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インターネット接続:住所を変換する処理はクラウド上で行われるため、オンライン環境が前提となります。
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個人情報の取り扱い:顧客住所をプロットする際は、市区町村単位に集計するなど匿名化への配慮も大切です。
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パフォーマンス:数万件のポイントを表示すると描画が重くなることがあります。その場合はヒートマップへの切り替えが有効です。
地図にデータを乗せると、見えなかったことが見えてくる
数字の羅列や棒グラフでは気づきにくかった地理的なパターン。売上の偏り、顧客密度の分布、空白エリアの発見。こうした洞察は、地図という表現形式と組み合わせることで初めて直感的なものになります。
設定の手軽さと表現力の豊かさを兼ね備えたAzure Mapsは、Power BIの中でも極めて実務向きな選択肢です。まずは手元のデータを地図に落としてみるところから始めてみてください。
Power BIの活用をもっと深めたい方へ
Azure Mapsをはじめ、Power BIには活用し始めると奥深い機能が数多く揃っています。どの機能から着手すべきか、自社データに合わせてどう設計すればよいか。こうした判断は、経験のある専門家と一緒に進めることで格段にスピードアップします。
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