はじめに
「分析は作る人(Creator/Explorer)に任せる。自分は“見る・使う”に集中したい」。そんなニーズに応えるのがTableau Viewerです。Viewerは“閲覧専用”というイメージを持たれがちですが、実はフィルター・並べ替え・コメント・共有・購読(サブスクライブ)・アラートの受信・ダウンロードなど、日々の意思決定に必要な操作は一通りカバーしています。本記事は、Viewerで何ができて何ができないのかを、実務の流れに沿ってわかりやすく整理しました。ライセンスや権限の考え方、よくある詰まりポイントもまとめています。
1. Viewerの“基本動作”でできること
1-1. 見たい切り口にすばやく絞り込む
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フィルターの操作:期間・地域・カテゴリなどをクリックやスライダーで絞り込み。
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並べ替え:表(テーブル)の列見出しにあるソートアイコンで昇順・降順を切り替え。
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ツールチップで詳細確認:グラフ上の点(マーク)にマウスオーバーすれば、関連指標や注釈を素早く把握。
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(権限が許せば)基になるサマリーデータの参照:マークを選んで「データを表示」から確認可能。
これらはブラウザ上で直感的に扱え、元データ自体を壊す心配はありません。Tableau Help
1-2. 共有・コラボレーション
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コメント:ダッシュボードのツールバーからコメントを追加。論点や気づきを残せます。
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リンク共有:同じサイトにアクセスできるメンバーへURLで共有。
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お気に入り/最近見たビュー:頻繁に使う可視化にすぐ戻れる導線が用意されています。
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Tableau Mobileでも閲覧:通勤中や現場でも、スマホアプリから同じ内容をチェック可能。Tableau Help+1
1-3. ダウンロード(静的な配布物が必要なとき)
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PNG / PDF / PowerPointなどの静的ファイルに書き出し(※管理者・所有者側の権限設定に従います)。会議資料や速報レポートの貼り込みで重宝します。Tableau Help
2. 通知で“受け取る力”を強化する
2-1. サブスクリプション(購読)
ダッシュボードやビューを定期メールで自動受信できます。自分宛の購読設定はViewerでも可能(※コンテンツのViewとDownload Image/PDFの両方が許可されている必要あり)。週次会議の前に最新スナップショットを受け取る、といった運用に最適です。Tableau Help+1
2-2. データドリブンアラート(しきい値通知)
KPIがしきい値を超えたらメールやSlackで通知。Viewerは既存のアラートに自分を追加して受け取ることができます(「Add Me」)。ただしViewer自身が新規アラートを作成することはできません(サイト設定でアラートが有効でも、作成はExplorer以上)。Tableau Help+1
3. 「カスタムビュー」で自分用の見方を保存
頻繁に同じフィルターをかけるならカスタムビューが便利。Viewerでも自分専用(非公開)として保存でき、URLをコピーして共有可能です。ただし、“他のユーザーに可視化(公開)”の切り替えはViewerでは不可。共有したい場合は、URL共有で対応するのが実務的です。Tableau Help
4. Viewerの“できないこと”を先に把握する
Viewerは“見る・使う”に最適化されていますが、次の領域は対象外です。
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Web編集・新規作成・公開(Publish):ダッシュボードの作成や修正はExplorer/Creatorの役割。Tableau Help
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データソースのダウンロード:Viewerはデータソースそのものの取得は不可(権限で許可されていても上限がかかる)。Tableau Help
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(自分で)データドリブンアラートの新規作成:作成はExplorer以上。Viewerは受信と既存アラートへの参加が中心です。Tableau Help
補足:Viewerでもサマリーデータのダウンロードや静的ファイルのエクスポート、コメント、自分宛の購読作成、アラート受信などは可能です(サーバー/サイト側の設定に依存)。Tableau Help
5. ライセンス×サイトロール×権限の考え方(やさしく)
Tableauでは、「ライセンス(Creator/Explorer/Viewer)」「サイトロール(最大到達点)」「権限(各コンテンツでの許可)」が組み合わさって最終的な“できること”が決まります。
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サイトロールはそのユーザーの上限を決めます(例:Viewerはデータソースをダウンロードできない)。
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権限は各プロジェクト/ワークブック/ビューごとに「閲覧・ダウンロード可否」などを細かく設定。
この2つの掛け算で、同じViewerでもダウンロード可否や購読の可否が変わる点に注意しましょう。Tableau Help+1
6. よくあるユースケース別・使い方のコツ
6-1. 週次の数字確認を“半自動化”したい
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よく使うビューをお気に入りに登録。
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サブスクリプションで月〜金の朝8時に送るよう設定(週次会議の前に届く)。
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集計期間や地域を固定したい場合はカスタムビューで保存して、そのURLを会議用に使う。Tableau Help+1
6-2. 現場の数値が閾値を超えたら即キャッチしたい
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Explorer/Creatorにアラートを作成してもらい、Viewerは**「Add Me」で自分を追加。Slack連携があると、通知からすぐ該当ビューへジャンプ**できます。Tableau Help
6-3. 素早く“根拠”を見せたい
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会議で「この数字の中身は?」と聞かれたら、マークにマウスオーバーや基になるデータの表示で裏取り。必要に応じてPNG/PDF/PPTXで共有資料を作成。Tableau Help
7. 権限まわりで詰まりやすいポイント
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購読できない/ボタンがない:対象ビューでView + Download Image/PDFが許可されているか、管理者に確認。埋め込み環境の設定によっては購読・アラートが表示されない場合もあります。Tableau Help
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アラート作成ができない:Viewerの仕様。Explorer以上が作成し、Viewerは参加・受信する運用にしましょう。Tableau Help
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ダウンロードの粒度:Viewerはデータソースのダウンロード不可。必要ならExplorer/Creatorに依頼し、代わりにサマリーデータや静的ファイルで受け取る。Tableau Help+1
8. 使い始めチェックリスト(Viewer向け)
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日常的に見るダッシュボードをお気に入りへ
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カスタムビューで自分用のフィルター初期値を保存
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サブスクリプションで“会議の前に届く”ように設定
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アラートはExplorer以上に作ってもらい、自分はAdd Meで参加
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必要なときだけPNG/PDF/PPTXで資料化(機密に注意) Tableau Help+1
9. まとめ:Viewerは“意思決定の最短距離”をつくる
Tableau Viewerは、「ダッシュボードを見る→必要な切り口に絞る→コメントや共有で合意を作る→定期購読やアラートで待ち時間ゼロに近づける」という日々の意思決定の道筋を、最小の学習コストで実現してくれます。
作る仕事は他のロールに任せ、使う仕事に集中する。 そのための操作はViewerだけで十分に揃っています。あとは、権限設定を正しく整え、購読とアラートの運用を回し始めるだけです。Tableau Help
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