Tableauの「ディメンション」とは?意味・役割・メジャーとの違いをやさしく解説!

1. はじめに|「ディメンションって何?」と感じたあなたへ

Tableauを使い始めたばかりの方が最初につまずくポイントのひとつが、「ディメンション(Dimension)」と「メジャー(Measure)」の違いです。

  • 「そもそもディメンションって何を指すの?」

  • 「グラフを作るとき、どっちにどれを置けばいいの?」

  • 「なぜ同じデータでもディメンションになるときと、メジャーになるときがあるの?」

こうした疑問を放置したままだと、可視化もうまくいかず、結果的にTableauの魅力を十分に活用できません。

そこでこの記事では、「Tableauにおけるディメンションとは何か?」を、基本から徹底的に解説していきます。


2. ディメンションとは?|定義と特徴

🔷 ディメンション(Dimension)の定義

ディメンションとは、「データを分類・区切るための項目(軸)」のことです。

Tableauでは、以下のような情報がディメンションに該当します。

  • 商品名

  • 顧客ID

  • 地域(都道府県、国など)

  • カテゴリ(製品区分など)

  • 日付(年月、日付単位)

ディメンションは、データを**「グループ化」や「比較」するための軸**になります。


🔍 ディメンションの例

例えば、「都道府県別売上」を可視化したいとき、

  • 都道府県 → ディメンション(軸)

  • 売上 → メジャー(数値)

という役割分担になります。

グラフの「列や行に配置されるラベル」や、「フィルターとして使う条件」に該当するのがディメンションです。


💡 Tableau上での見分け方

Tableauの画面左側「データペイン」にあるフィールドは、次のように分類されています。

アイコンの色 意味
青色 ディメンション
緑色 メジャー(数値)

色分けが視覚的にされているので、どちらのタイプかすぐに判別できます。


3. ディメンションとメジャーの違い

▶ 比較表で整理してみよう

項目 ディメンション(Dimension) メジャー(Measure)
役割 データの分類・軸としての役割 数値を集計・計算するための項目
地域、日付、商品名、カテゴリなど 売上、利益、件数、平均点など
表示形式 ラベル、カテゴリ 数値として表示
主な用途 軸・フィルター・詳細の指定 集計値の算出、グラフの高さ・長さに反映

補足:ディメンションでも、カウントや日付の差分など計算を行うことでメジャー的に使うことが可能です。


📊 使用例:棒グラフを作る場合

設定項目 フィールド ディメンション or メジャー
行(Row) 都道府県 ディメンション
列(Column) 売上 メジャー

このように、**「何で分類して」「何を集計するか」**という視点で設計すると、配置が自然に決まります。


4. ディメンションの使い方|Tableauの操作ステップ

それでは、実際にTableauでディメンションをどう使うのか、基本操作を紹介します。

📌 基本ステップ:

  1. Tableau Publicを起動

  2. ExcelやCSVなどのデータを取り込み

  3. 左側の「ディメンション」領域から、分類したいフィールドをドラッグ

  4. 行または列の枠へドロップ

  5. メジャーを追加して、集計グラフを表示


🧭 ディメンションの応用操作

  • フィルターへの活用:「カテゴリ=家電」のみを表示

  • 色分けに使う:各カテゴリで色分けして視覚的に違いを明確化

  • 詳細表示:ツールチップにディメンションを入れて情報追加

これらの使い方を組み合わせることで、グラフの「伝わりやすさ」が格段にアップします。


5. 日付ディメンションの特性に注意

Tableauでは、日付データも基本的にはディメンション扱いとなりますが、特有の機能を持っています。

✅ 日付ディメンションでできること

  • 年月・年・月・週などの階層表示

  • タイムライングラフの自動生成

  • 期間指定によるフィルター

たとえば「2023年〜2025年までの売上推移」を表示する場合、日付をディメンションとして扱いながら、グラフ上で月別に展開することが可能です。


ここまでで、「ディメンションとは何か?」「メジャーとの違い」「具体的な使い方」「操作の流れ」「日付の特殊性」について解説しました。後半パートでは、以下のようなテーマを扱います:

  • ディメンションを用いた実践グラフの事例

  • カスタムディメンションの作り方(計算フィールド)

  • よくあるエラーや間違った使い方とその対処法

  • まとめとおすすめ学習リソース

ご希望であれば、「後半パートをお願いします」とお伝えください。すぐに続きをご提供します。

6. ディメンションを活かした実践的な可視化例

ディメンションをうまく活用することで、Tableauのグラフはより視覚的・分析的に優れたものになります。ここでは、実際の活用パターンを紹介します。

📊 例1:カテゴリ別売上の比較(棒グラフ)

  • ディメンション:商品カテゴリ

  • メジャー:売上金額

  • → 棒グラフで「家電」「食品」「衣料品」などのカテゴリごとの売上比較が可能。

📊 例2:地域別の売上比率(円グラフ)

  • ディメンション:地域(都道府県)

  • メジャー:売上

  • → 各都道府県の売上構成比を一目で可視化。

📊 例3:顧客属性による分析(ヒートマップ)

  • ディメンション:年齢層、性別

  • メジャー:購買金額や訪問回数

  • → どの属性が最も収益性が高いかが直感的に分かる。


7. カスタムディメンションの作り方(計算フィールド)

Tableauでは、もとのデータには存在しない「新しいディメンション」を自分で作成することも可能です。それが「計算フィールド」の活用です。

✅ 例:売上金額で顧客をグループ分け

text
IF [売上] > 100000 THEN "ハイバリュー顧客"
ELSEIF [売上] > 50000 THEN "中間層"
ELSE "ライトユーザー"
END

このようなIF文を使った条件分岐で、任意のディメンションを作成できます。

📌 手順:

  1. データペインで右クリック → 「計算フィールドの作成」

  2. 上記のような式を入力

  3. 作成されたフィールドはディメンションとして分類される

※ 集計を含まない条件(IF、CASEなど)はディメンションになりやすい。一方、SUMAVGなどの集計関数を含むとメジャー扱いされます。


8. ディメンション利用時によくあるエラーと対処法

❗エラー1:グラフが想定通りに出ない

原因例:

  • ディメンションとメジャーの配置が逆

  • データ型の設定ミス

対処法:

  • データペインでアイコンの色を確認(青:ディメンション/緑:メジャー)

  • 行・列の入れ替えボタン(Swap)を使って直感的に修正


❗エラー2:値が多すぎて表示が崩れる

原因例:

  • ディメンションが持つ値のバリエーションが多すぎる(例:顧客IDなど)

対処法:

  • 「トップ N」のフィルターで上位の値だけを表示

  • 「カテゴリ」や「地域」など、グループ化された軸に切り替える


❗エラー3:意図しない並び順になっている

原因例:

  • ディメンションの並びがアルファベットや数値順

対処法:

  • ディメンションを右クリック → 並び順 → 手動設定やフィールドによる並び替えを選択


9. ディメンションをさらに深く活用するポイント

✅ 階層(Hierarchy)を作成してドリルダウンを可能に

「年 → 月 → 日」や「都道府県 → 市区町村」など、ディメンションを階層構造にするとクリックだけで詳細な分析が可能になります。

手順:

  1. データペインでディメンションをドラッグして別のディメンションに重ねる

  2. 「階層を作成」ダイアログで名前を決定

  3. シート上で「+」アイコンをクリックすることでドリルダウン表示ができる


✅ グループ(Group)機能で意味ある分類を作る

都道府県を「東日本」「西日本」などにまとめたいときは、グループ化機能が便利です。

操作方法:

  1. ディメンションを右クリック → 「グループ」

  2. 複数選択して、任意のグループ名で保存

これにより、データをより分析しやすい粒度で整理できます。


10. よくある質問(FAQ)

Q. ディメンションは自動で決まるのですか?

A. Tableauがデータ型や内容に応じて自動分類しますが、ユーザーが手動で変更することも可能です(右クリック → データ型の変更など)。


Q. 同じフィールドがディメンションにもメジャーにも出てくるのはなぜ?

A. 一部のデータ(例:日付や数値)は、集計しないで使うか/集計して使うかで分類が変わります。

  • 集計しなければディメンション

  • 集計すればメジャーになります。


Q. 分析にはどちらを重視すべき?

A. 両方必要ですが、「ディメンションが分析の軸、メジャーが結果値」という考えが基本です。分類と集計のバランスを意識しましょう。


11. まとめ|「ディメンション」を理解すれば、Tableauが見えてくる

ディメンションは、データをどう“切り分けるか”を決定づける最重要の概念です。どんな可視化も、「分類軸」がなければ成立しません。

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