Power BI でフローチャートを活用!手順やデータフローをわかりやすく可視化する方法

Power BI では、棒グラフや折れ線グラフだけでなく、フローチャート(プロセスの流れを示す図)に近い表現も実装可能です。「作業のステップ」「データの流れ」「工程管理」など、ビジネスで必要なフローを見える化することで、チームの意思疎通をスムーズにし、生産性向上にもつながります。この記事では、Power BI でフローチャートを表現する方法と、導入時のポイントについて解説します。


1. なぜフローチャートが必要なのか?

  1. 工程やプロセスをひと目で把握
    各ステップがどのようにつながっているかを図示することで、関係者が共通認識を持ちやすくなります。

  2. ボトルネックや改善ポイントの発見
    作業フローを客観的に観察できるため、どの工程に時間がかかっているか、どこでエラーが発生しやすいかが把握しやすくなります。

  3. 複数部門をまたぐ業務の可視化
    部門を超えたプロセスが含まれる場合、フローチャートで全体像を見える化すれば、連携ミスを防ぐのに役立ちます。


2. Power BI でフローチャートを作る方法

1) カスタムビジュアルを利用

Power BI には標準でフローチャートを描画するビジュアルはありませんが、「AppSource」から カスタムビジュアル を導入できます。例:

  • Sankey Chart
    流れ(ソース → ターゲット)の可視化に適しており、データフローやプロセスを示す用途に使える。
  • Flow Map
    地理データと組み合わせたフローチャートを作成。出荷や物流経路など、地図上のフローを可視化したいときに便利。
  • Diagram or Process Visual
    一部のカスタムビジュアルには、ノードとエッジを自由に配置できる機能がある。これを使うと、フローチャートに近い表現が可能。

導入手順

  1. Power BI Desktop の [挿入] → [Power BI ビジュアルの取得]
  2. AppSource が開くので、「Sankey」や「flow」「diagram」などのキーワードで検索。
  3. 目的に合うビジュアルをダウンロードし、レポートキャンバスに追加。

2) 画像 + スライサー で擬似的にフローチャートを表現

  • 背景画像としてフローチャートを作成
    Visio や PowerPoint などでフローチャートを描き、画像としてエクスポート。それを Power BI のページ背景に設定する。
  • ボタンやシェイプと組み合わせ
    • Power BI の [挿入] → [ボタン] / [シェイプ] を使い、フローチャートのノードに重ねて配置。
    • ボタンに対してアクションを設定(ページ遷移やブックマーク)すれば、クリック時に詳細レポートを表示するといった工夫が可能。

3. フローチャートビジュアルのデータ準備

  1. データ構造の検討
    フローチャート系ビジュアル(とくに Sankey チャート)では、「ソース」「ターゲット」「値(量)」といった列を用意する必要があります。

    • 例:
      • Column A: フロー元 (Source)
      • Column B: フロー先 (Target)
      • Column C: 流れの数値 (Value)
  2. ノードやエッジの定義

    • ノード(工程/部門/タスク)を一意に特定する ID や名称を準備。
    • ソース → ターゲット関係をテーブルで保持することで、ビジュアルがフローを描画できるようになります。
  3. Power Query で整形

    • 必要に応じて、Excel や CSV からデータを読み込み、Power Query でカラム名を「Source」「Target」「Value」などと加工する。
    • 重複行をまとめたり、フィルターをかけたりしてからビジュアルに送ると、より見やすいフローが作れます。

4. フローチャート活用例

  1. 業務プロセスの可視化

    • 例:営業プロセス(リード → 見込み客 → 商談 → 受注)の遷移を Sankey チャートで可視化し、どこで離脱が多いかを分析。
  2. 組織間フロー

    • 例:製品開発工程(研究部 → 設計部 → 試作 → 生産 → 出荷)をフローチャート化し、ボトルネックを把握する。
  3. ログやアクセス経路の分析

    • Web サイトの遷移(ホームページ → プロダクトページ → カート → 購入完了)をデータとして取り込み、どのステップで離脱するかを可視化。

5. 注意点・コツ

  1. カスタムビジュアルの信頼性

    • AppSource からダウンロードするカスタムビジュアルは開発元が異なるため、安定性やサポート体制に差があります。
    • レビューやバージョン履歴を確認し、自社のポリシーに合わせて導入を検討してください。
  2. 複雑すぎるフローには限界がある

    • ノード数が多すぎると、画面上が密集して見づらくなる。
    • 大まかな工程をフローチャートで表現し、詳細は別ページのテーブルや他のビジュアルで補うほうがよい場合も。
  3. 更新時のメンテナンス

    • 工程や部門の追加・変更があると、データソースを修正して再度フローチャートを構成し直す手間が発生する。
    • フローが頻繁に変わるプロセスの場合、ビジュアルのメンテナンスコストが大きくなる点を踏まえて運用する必要があります。
  4. レイアウトと可読性

    • ラベルが重なって読みにくいことがあるため、ビジュアルのサイズやフォントを調整し、必要なら凡例やツールチップを有効活用して情報を補完しましょう。

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まとめ

Power BI でフローチャートを表現するには、カスタムビジュアル(Sankey chart など)の導入や、画像 + ボタン での擬似フロー作成など、いくつかの方法があります。フローチャートはデータフローや業務プロセスを直感的に把握できる強力なツールですが、設定やデータ構造の準備がやや手間な面も。

  • ノード数やフローの複雑さを踏まえ、必要以上に煩雑にならないように注意。
  • うまく活用すれば、工程改善や部署間連携の課題を可視化し、より生産性の高い環境づくりに寄与します。

運用面で不安やわからない点がある場合は、無料相談やセミナーを活用して専門家からのアドバイスを得ると、スムーズにフローチャートを導入し、データ活用を進められるでしょう。

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