Power BI で階層を作る方法|データのドリルダウンを活かした多層的な分析を実現

Power BI は、柔軟なデータ分析とビジュアル化が特徴的な BI ツールです。なかでも、データを階層構造(ドリルダウン・ドリルアップが可能な状態)で扱うことは、レポート利用者が複数の粒度で情報を見られるようにする上で非常に重要です。この記事では、Power BI で階層を作成する方法と、活用時のポイントについてわかりやすく解説します。


1. なぜ階層が重要なのか?

  1. ドリルダウン・ドリルアップが可能
    単純に国 → 地域 → 都道府県 → 市区町村のように詳細を追っていく分析や、年 → 四半期 → 月 → 日のように時系列を細分化した分析が容易になります。

  2. ユーザーの利便性向上
    最上位の集計値だけを見たいユーザーと、詳細な要素を調べたいユーザーの両方に対応できるため、レポートの汎用性が高まります。

  3. ビジュアルとの相性が良い
    棒グラフや折れ線グラフ、ツリーマップなどに階層を設定すると、「クリック一つ」で次の粒度へスムーズに移動でき、ビジュアル上の体験が向上します。


2. 基本的な階層の作り方

1) モデルビューで階層を作成

  1. Power BI Desktop の [モデル] ビューを開く

    • 画面左のアイコン(テーブルのようなマーク)をクリックします。
  2. 階層化したい列のあるテーブルを選択

    • 例:日付テーブルの「年 (Year)」「月 (Month)」「日 (Day)」など。
  3. 「階層を作成」

    • 階層にしたい列の上で右クリックし、[階層の作成] を選択。
    • 自動的に「新しい階層」が作られるので、そこに「年」「月」「日」など別の列をドラッグ & ドロップして追加します。
  4. 階層名をわかりやすく変更

    • 「Date Hierarchy」などの名前をつけておくと、後から管理しやすいです。

2) レポートビューでのドラッグ & ドロップ

  • レポートビューのフィールドリストでも、同様に 右クリック→[新しい階層] として作成可能。
  • 作成後は、列を階層にドラッグすれば階層構造を定義できます。

3. 階層をビジュアルに適用する

  1. 階層を使いたいビジュアルを用意

    • 棒グラフ、折れ線グラフ、ツリーマップ、マトリックスなど。
  2. フィールドリストから階層を選択

    • 「軸」や「行」など、ビジュアルの特定フィールドに対して、先ほど作成した階層をまとめてドラッグ & ドロップします。
    • Power BI が自動的に階層を認識して、ドリルダウンのアイコン(上下矢印)がビジュアルに表示されます。
  3. ドリルダウン操作

    • レポートビューのビジュアル上部にある矢印や、グラフ内の項目をクリックすることで、階層を下ったり上ったりできます。
    • ユーザーにとっては、ひとつのビジュアルで異なる粒度の情報が得られるため非常に便利です。

4. 代表的な活用例

  1. 時系列分析(年/月/日)

    • 「年 → 四半期 → 月 → 日」の階層を作成し、棒グラフや折れ線グラフでドリルダウンすることで、売上や費用の推移を多角的に捉えられます。
  2. 地理的階層(国/地域/都道府県)

    • マップビジュアルや形状マップと組み合わせると、国レベルから都道府県レベルまでの分析がスムーズ。
    • マップ上でのドリルダウンにより、地域差を直感的に把握できるのがメリットです。
  3. 製品カテゴリー階層(カテゴリー/サブカテゴリー/商品名)

    • ツリーマップやサンバーストチャートなどで表示し、カテゴリーごとの売上比率を確認した後に、詳細な商品レベルまで掘り下げる分析が可能です。

5. 階層作成時の注意点

  1. 日付テーブルのヒエラルキー vs. 自動階層

    • Power BI には、日付型列に対して自動的に「年/四半期/月/日」の階層を作る機能があります(自動階層)。
    • 自作の日付テーブルを使う場合は、[オプション] → [現在のファイル] → [データ読み込み] → [時系列] の設定などを確認して、重複や競合を避けましょう。
  2. データの整合性

    • 階層はテーブルの主キーや関係性が整備されていないと正しく動作しません。
    • 国や地域のデータが重複している、または日付テーブルが正しく関連付けられていない場合は要注意。
  3. ドリルダウンの操作性

    • 操作になじみのないユーザー向けには、事前にドリルダウンのやり方を説明する必要があります。
    • 特に Power BI サービスでの共有時に、ビジュアル上部のドリルアイコンを知らないユーザーもいるかもしれません。
  4. パフォーマンス

    • 階層が深いと、ドリルダウン時に大量のデータを読み込むケースがあります。データモデルの適切なインデックスや分割を検討し、パフォーマンスを保ちましょう。

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まとめ

Power BI で階層を作成すると、国→地域→都道府県年→月→日 といった多層的な情報を、ひとつのビジュアルでドリルダウン・アップして確認できます。これにより、ユーザーは求める粒度にあわせてスピーディに分析を深められるようになります。
作成手順は簡単ですが、日付テーブルの設定やデータの関連付け、またユーザーが操作しやすいように工夫する必要があります。ぜひ階層をうまく活用して、Power BI レポートの利便性を大きく向上させてみてください。困ったときは無料相談やセミナーを利用し、さらなるデータ活用スキルを身につけるチャンスを逃さないようにしましょう。

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