はじめに
「このリンクを開いたら、最初から“売上=西日本・今期だけ・ツールバー非表示”で見せたい」──そんな “ちょうどいい表示” を実現するのが URLパラメータです。
メールやチャットでのリンク共有、社内ポータルへの埋め込み、Tableau Publicの紹介ページなどでも、リンクの末尾に少し足すだけでユーザー体験を整えることができます。
ただし最近の Embedding API v3 では、従来の「URLでフィルター指定」から、Webコンポーネント属性(<viz-filter>
など)で渡す方法にシフトしています。共有リンク、iframe、埋め込み……用途ごとに最適なやり方を使い分けるのがコツです。
1. URLの基本構造と最初にやること
TableauのURLは基本的に
という形になっています。
まず覚えておきたいのが、URLの末尾に付いている :iid=数値
は削除する というルール。これは一時的なセッションカウンタなので、そのままコピーして他の環境に貼ると正しく動作しない場合があります。
2. 表示制御に使える便利なパラメータ
共有リンクやiframeで使える代表的なパラメータをまとめると次の通りです。
-
:embed=yes
… 上部ナビを隠して「埋め込みモード」で表示 -
:toolbar=no|top|yes
… ツールバーを非表示/上/下に配置 -
:tabs=no|yes
… ワークブックのタブ表示をON/OFF -
:device=desktop|tablet|phone
… デバイスレイアウトを強制指定 -
:tooltip=no
… ツールチップを非表示にする -
:showAppBanner=false
… モバイルブラウザで表示される「アプリで開く」バナーを非表示 -
:showShareOptions=false
… 共有ボタンを非表示 -
:refresh=yes
… 読み込み時に最新データへリフレッシュ -
:render=true|false|1-100
… クライアント描画/サーバー描画の切替や閾値指定 -
:format=pdf|png
… 直接PDF/PNGで出力 -
:showVizHome=no
/:display_count=yes
(Public限定)… Public UIや閲覧数の表示制御
TIP:見せたくないUIはCSSで無理に隠すよりも、公式パラメータで制御した方が確実でトラブルが少ないです。
3. フィルターをURLで渡す方法
単一・複数選択
-
単一:
?Category=Technology
-
複数:
?Region=Central,South
(カンマ区切り) -
複数フィールド:
?Region=Central,South&Segment=Consumer,Home Office
値にスペースやカンマを含む場合はURLエンコードし、カンマを値に含めたい場合はバックスラッシュ(\
→ %5c
)でエスケープします。
日付・日時
-
形式は
yyyy-mm-dd hh:mm:ss
(24時間制)
例:?Order Date=2024-04-01 00:00:00
複数日付もカンマ区切りで指定可能です。
数値
-
値の列挙のみサポート(範囲指定や大小比較は不可)
例:?Profit=100,200
→ 100と200のみ表示
※注意点として、ストーリー(Story)はURLフィルター非対応です。
4. Embedding API v3での基本
最新のv3埋め込み(<tableau-viz>
)では、URLにフィルターを直接付けません。代わりにHTML属性や子要素で初期状態を指定します。
-
device
属性はdefault|desktop|tablet|phone
-
パラメータ変更はURLではなくAPIを利用:
workbook.changeParameterValueAsync()
を使います。
5. ユースケース別レシピ
5.1 メールやチャットで「特定の切り口」を共有
非エンジニアでも開くだけで意図したビューにたどり着けます。
5.2 社内ポータルで“見せるだけ”にする
モバイル端末でも安定した表示が可能です。
5.3 プロダクション用途の本格埋め込み
<viz-filter>
や <custom-parameter>
を組み合わせた v3埋め込みを選択。SSOや高度な制御を前提とするなら、この方式が必須です。
6. ハマりやすいポイント
-
:iid
を削除:必ず取り除いてから共有 -
フィールド名変更に注意:公開後にフィールド名を変えるとURLフィルターが効かなくなる
-
スペースや記号はエンコード必須
-
日付フォーマットは厳格:
yyyy-mm-dd hh:mm:ss
-
Public専用パラメータの混在に注意
-
:render
は検証用。常用は避ける -
v3ではURLフィルター禁止。
<viz-filter>
やAPIへ移行を意識する
7. すぐに使えるコピペ例
共有リンク(Slackやメール用)
iframe埋め込み(社内ポータル用)
v3埋め込み(本格運用用)
8. まとめ
-
共有リンク/iframeでは、
:embed
や:toolbar
といった表示制御パラメータ+フィルタ指定で「ちょうどいい表示」を作れる -
URL末尾の
:iid
は必ず削除すること -
Embedding API v3ではURL依存をやめ、属性やAPIを使うのがベストプラクティス
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今後は「URLパラメータ → v3属性/API」への移行を進めておくと安心です
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