データ分析を一段深くするための2軸グラフ活用ガイド
はじめに
データ分析では「1つの軸」だけでは見えない関係性や傾向があります。たとえば売上と広告費、満足度と離脱率など、複数の指標を同時に可視化したいケースは多いでしょう。そのときに役立つのが 2軸グラフ です。単一のグラフに異なる単位やスケールの指標を重ねることで、相互の関係を直感的に把握できます。
本記事では、2軸グラフの特徴や作り方、分析のポイント、注意点までを詳しく解説します。初心者でも応用的に使えるように整理しています。
2軸グラフとは何か
2軸グラフとは、1つのグラフの中に縦軸を2つ持たせ、それぞれに異なる指標を割り当てる可視化方法です。
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例1: 左軸に「売上(円)」、右軸に「来店者数(人)」を設定
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例2: 左軸に「平均気温(℃)」、右軸に「アイスの売上(個)」を設定
このように、異なる単位のデータを重ね合わせることで「売上は気温の変化と連動しているのか?」といった関係性を発見しやすくなります。
2軸グラフが役立つシーン
1. 異なる単位の指標を比較したいとき
売上金額とユーザー数のように、桁や単位が違うデータを1つの視覚化にまとめられます。
2. トレンドの相関を見たいとき
「広告費を増やしたときに売上も伸びたのか?」といった 因果関係のヒント を探すのに有効です。
3. KPI同士の関係を確認したいとき
たとえばECサイトであれば「コンバージョン率」と「平均購入単価」を同時に表示し、どちらが収益に影響を与えているかを分析できます。
作成手順のイメージ
Tableauで2軸グラフを作成する流れは非常にシンプルです。
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1つ目の指標をドラッグしてグラフを作成
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2つ目の指標を同じ軸へ重ねるようにドラッグ
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表示オプションから「二重軸」を選択
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必要に応じて軸のスケールを調整し、見やすく整える
この4ステップで完成します。慣れると数分で作成可能です。
見やすくするための工夫
2軸グラフは便利ですが、見づらくなるリスクもあります。以下の工夫が効果的です。
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色を工夫する:2つの系列を明確に区別できる色を選ぶ
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凡例を活用する:グラフの右側に凡例を表示し、どの線がどの指標か明示する
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軸の範囲を整える:スケールが極端に異なると誤解を招くため、必要に応じて正規化や範囲調整を行う
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重ね方を工夫する:片方を棒グラフ、もう片方を折れ線グラフにすることで視認性を高める
注意点と落とし穴
2軸グラフは使い方を誤ると誤解を生みます。
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相関と因果を混同しやすい
例:広告費と売上が同じタイミングで上昇しても、必ずしも因果関係があるとは限りません。 -
スケールの不一致による錯覚
極端にスケールが異なると「変動が大きい」と錯覚させてしまう可能性があります。 -
多用すると複雑すぎる
2つ以上の指標を詰め込みすぎると、かえって理解が難しくなります。
応用的な使い方
トレンド予測との組み合わせ
時系列データにトレンドラインや移動平均を加え、将来予測の精度を高められます。
セグメントごとの比較
地域別・年齢別に売上を分け、それぞれに異なる軸を設定すれば「どの顧客層が成長を牽引しているか」が見えてきます。
KPIダッシュボードへの統合
売上、顧客数、広告効率などの複数のKPIをまとめてモニタリングする場合、2軸グラフは非常に有効です。
まとめ
2軸グラフは「異なる指標の関係性を一目で把握する」ための強力なツールです。ただし、視認性や解釈の正確さを意識しないと誤った結論を導きかねません。ポイントは以下の通りです。
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単位やスケールが異なるデータの比較に便利
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相関関係の発見やKPI分析に効果的
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色・凡例・スケール調整で見やすさを担保
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因果関係の早合点に注意
このように、正しく活用すれば分析の解像度を一段引き上げられます。
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