6. ディメンションを活かした実践的な可視化例
ディメンションをうまく活用することで、Tableauのグラフはより視覚的・分析的に優れたものになります。ここでは、実際の活用パターンを紹介します。
📊 例1:カテゴリ別売上の比較(棒グラフ)
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ディメンション:商品カテゴリ
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メジャー:売上金額
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→ 棒グラフで「家電」「食品」「衣料品」などのカテゴリごとの売上比較が可能。
📊 例2:地域別の売上比率(円グラフ)
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ディメンション:地域(都道府県)
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メジャー:売上
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→ 各都道府県の売上構成比を一目で可視化。
📊 例3:顧客属性による分析(ヒートマップ)
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ディメンション:年齢層、性別
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メジャー:購買金額や訪問回数
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→ どの属性が最も収益性が高いかが直感的に分かる。
7. カスタムディメンションの作り方(計算フィールド)
Tableauでは、もとのデータには存在しない「新しいディメンション」を自分で作成することも可能です。それが「計算フィールド」の活用です。
✅ 例:売上金額で顧客をグループ分け
このようなIF文を使った条件分岐で、任意のディメンションを作成できます。
📌 手順:
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データペインで右クリック → 「計算フィールドの作成」
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上記のような式を入力
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作成されたフィールドはディメンションとして分類される
※ 集計を含まない条件(IF、CASEなど)はディメンションになりやすい。一方、
SUM
やAVG
などの集計関数を含むとメジャー扱いされます。
8. ディメンション利用時によくあるエラーと対処法
❗エラー1:グラフが想定通りに出ない
原因例:
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ディメンションとメジャーの配置が逆
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データ型の設定ミス
対処法:
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データペインでアイコンの色を確認(青:ディメンション/緑:メジャー)
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行・列の入れ替えボタン(Swap)を使って直感的に修正
❗エラー2:値が多すぎて表示が崩れる
原因例:
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ディメンションが持つ値のバリエーションが多すぎる(例:顧客IDなど)
対処法:
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「トップ N」のフィルターで上位の値だけを表示
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「カテゴリ」や「地域」など、グループ化された軸に切り替える
❗エラー3:意図しない並び順になっている
原因例:
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ディメンションの並びがアルファベットや数値順
対処法:
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ディメンションを右クリック → 並び順 → 手動設定やフィールドによる並び替えを選択
9. ディメンションをさらに深く活用するポイント
✅ 階層(Hierarchy)を作成してドリルダウンを可能に
「年 → 月 → 日」や「都道府県 → 市区町村」など、ディメンションを階層構造にするとクリックだけで詳細な分析が可能になります。
手順:
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データペインでディメンションをドラッグして別のディメンションに重ねる
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「階層を作成」ダイアログで名前を決定
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シート上で「+」アイコンをクリックすることでドリルダウン表示ができる
✅ グループ(Group)機能で意味ある分類を作る
都道府県を「東日本」「西日本」などにまとめたいときは、グループ化機能が便利です。
操作方法:
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ディメンションを右クリック → 「グループ」
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複数選択して、任意のグループ名で保存
これにより、データをより分析しやすい粒度で整理できます。
10. よくある質問(FAQ)
Q. ディメンションは自動で決まるのですか?
A. Tableauがデータ型や内容に応じて自動分類しますが、ユーザーが手動で変更することも可能です(右クリック → データ型の変更など)。
Q. 同じフィールドがディメンションにもメジャーにも出てくるのはなぜ?
A. 一部のデータ(例:日付や数値)は、集計しないで使うか/集計して使うかで分類が変わります。
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集計しなければディメンション
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集計すればメジャーになります。
Q. 分析にはどちらを重視すべき?
A. 両方必要ですが、「ディメンションが分析の軸、メジャーが結果値」という考えが基本です。分類と集計のバランスを意識しましょう。
11. まとめ|「ディメンション」を理解すれば、Tableauが見えてくる
ディメンションは、データをどう“切り分けるか”を決定づける最重要の概念です。どんな可視化も、「分類軸」がなければ成立しません。
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