データ分析の現場でよく耳にするツールの一つが、Tableau(タブロー)。誰でも簡単に美しいデータビジュアライゼーションが作れるツールとして、世界中で活用されています。
しかし、Tableauを触り始めた多くの人が最初に感じるのが、次のような疑問です。
-
「Tableau ディメンションって何?」
-
「メジャーと何が違うの?」
-
「ディメンションをどう使えばいいの?」
実際、Tableauのデータペインを見ると、ディメンションとメジャーが分かれて表示されており、初心者にとってはそれがまず「謎」ですよね。
この記事では、
-
ディメンションの意味
-
メジャーとの明確な違い
-
具体的な使い方
-
ビジネス現場での活用事例
-
よくある間違いと解決策
まで、丁寧にわかりやすく解説していきます。
この記事を読めば、Tableauの「ディメンションとは?」という疑問は完全に解消します。
1. Tableau ディメンションとは?
■ ディメンションの定義
簡単に言うと、**「データを分類するための項目」**がディメンションです。
たとえば、あなたが「売上データ」を分析するとします。そのデータには、次のような項目があるはずです。
-
商品名
-
商品カテゴリ
-
地域
-
年度
-
月
-
顧客名
-
担当者名
これらはすべて、「売上」という数値をどの視点で見るかという軸です。
つまり、Tableauにおけるディメンションは、「集計する対象を分類・グループ化するためのデータ」を意味します。
■ Tableauの画面上の見え方
Tableau Desktopの左側の「データペイン」を見ると、
-
ディメンション(青色)
-
メジャー(緑色)
に分かれています。
ディメンションは上部、メジャーは下部に表示されるのが特徴です。
2. ディメンションとメジャーの違い
Tableauの分析において、ディメンションとメジャーの違いは極めて重要です。
■ 一言でまとめると…
役割 | 内容 |
---|---|
ディメンション | 分類・グループ化のための「軸」 |
メジャー | 合計、平均、件数など、計算対象となる「数値」 |
■ 具体例
たとえば「売上」というメジャーがあった場合、
-
「地域」ごと
-
「商品カテゴリ」ごと
-
「月」ごと
に分類して売上の合計や平均を見る。
ここで「地域」「商品カテゴリ」「月」がディメンションで、
「売上」がメジャーです。
■ Tableauの表示での違い
項目 | ディメンション | メジャー |
---|---|---|
色 | 青 | 緑 |
役割 | データを分類(切り口) | 数値の計算(合計・平均・最大など) |
例 | 年、月、地域、カテゴリ、顧客 | 売上、利益、販売数量 |
ビューへの影響 | 行や列のラベルに。フィルターや色分けも | グラフの高さや大きさ、数値の表示 |
3. ディメンションの使い方【基本編】
■ グラフを作る基本の流れ
ステップ1:ディメンションをドラッグ
まずは、**「商品カテゴリ」**を列にドラッグ。これだけで、「家具」「オフィス用品」「テクノロジー」の3つのラベルが出ます。
ステップ2:メジャーをドラッグ
次に、**「売上」**を行にドラッグ。すると、商品カテゴリごとの売上の棒グラフが表示されます。
■ フィルターとして使う
「地域」や「年」をフィルターに設定すれば、特定の期間やエリアだけのデータに絞ることができます。
■ 詳細として使う
「顧客名」を「詳細」マークにドラッグすると、グラフの各ポイントがどの顧客に対応するのかがわかります。
4. より深いディメンションの活用法
✔️ 階層化
「年」→「四半期」→「月」のように階層を作ることで、グラフ上でドリルダウン(詳細表示)やドリルアップ(要約表示)が可能。
例:年単位の売上をクリックすると月別売上に展開。
✔️ グループ化
複数の項目を「大口顧客」「一般顧客」のように手動でグループ分け可能。
→ グループ化はセグメント分析にとても便利。
✔️ 計算ディメンション
例:売上が10万円以上の取引を「高額」、それ未満を「通常」と分類する。
計算フィールドで以下のように作れます。
5. 実践的な活用事例
■ マーケティング担当の場合
-
「キャンペーン別」に売上効果を可視化。
→ キャンペーンが地域や顧客層ごとにどれだけ効果があったのか分析。
■ 営業マネージャーの場合
-
「担当者別」や「地域別」の売上進捗管理。
→ 目標達成率の可視化と営業戦略の最適化。
■ 経営層の場合
-
「年次」→「四半期」→「月次」と階層的に売上分析。
→ 大局から細部まで一貫した視点で意思決定。
■ ECサイト運営の場合
-
「デバイス別」「流入経路別」のコンバージョン率分析。
→ どのチャネルが強いのかが一目でわかる。
6. よくある間違いと解決方法
■ 「数字=メジャー」は間違い
郵便番号、顧客ID、商品コードなどは数字に見えても「分類するデータ」なのでディメンション。
■ 自動判定が100%正しいとは限らない
Tableauはインポート時に自動でディメンションとメジャーを分けますが、間違うことも。正しくない場合は、データペインで右クリック → 「ディメンションに変換」すればOK。
■ 分類しすぎてグラフが崩壊
-
顧客名や日付の粒度で分類しすぎると、棒が数千本になることも。
→ 適切な粒度(例:月単位、カテゴリ単位)を選ぶことが大事。
7. Tableau ディメンションのFAQ
Q. ディメンションは自動で決まるの?
→ ある程度自動。でも間違うこともあるので手動変更は必須。
Q. メジャーをディメンションに変えてもいい?
→ 問題なし。売上金額を「高額」「中額」「低額」に分類する場合などに使う。
Q. 文字データでもメジャーにできる?
→ できない。文字列はあくまでディメンション。ただしカウント(件数)は可能。
まとめ|Tableau ディメンションをマスターしよう!
**「Tableau ディメンションとは、データを分類・グループ化するための項目」**というのがこの記事の結論です。
-
メジャーが「数値を計算」する役割なのに対し、
-
ディメンションは「どの視点でその数値を見るか」を決める役割。
この違いを正しく理解することで、Tableauの操作が格段にスムーズになります。
ディメンションを自由自在に扱えるようになれば、
-
ビジネスの意思決定が早くなる
-
プレゼンやレポートの質が上がる
-
チーム内での情報共有が圧倒的に楽になる
Tableauの真価を発揮できるはずです。
コメント