Power BIのカードビジュアルとは? 数値や指標をシンプルに強調する方法と活用ポイント

Power BIでダッシュボードやレポートを作る際、もっともよく使われるビジュアルの一つが「カード」です。売上総額や利益率など、ひと目で数値を強調したい指標を表示するのに最適で、他のグラフやテーブルに埋もれることなく、重要な数字を際立たせる効果があります。この記事では、カードビジュアルの基本的な使い方から活用シーン、注意点などをわかりやすく解説します。


1. カードビジュアルとは?

カードビジュアルは、1つの数値またはテキストを大きく表示するビジュアルです。たとえば、売上高・利益・顧客数などの“重要指標(KPI)”をダッシュボードに配置し、ぱっと見で分かるようにするために最適です。

1-1. カードの種類

Power BIには大きく2種類のカードビジュアルがあります。

  1. 単一カード (Card)

    • 単一の数値を大きく表示

    • 合計や平均、最大値などをシンプルに示したいときに使う

  2. マルチ行カード (Multi-row card)

    • 複数のフィールドを同時にカード形式で表示

    • 例:商品名・在庫数・単価を並べて表す際に活用


2. カードビジュアルの作成方法

2-1. 単一カード

  1. ビジュアルの選択
    Power BI Desktopの[レポート ビュー]で、右側の「ビジュアル化」ペインから「カード」アイコンをクリックし、キャンバスに挿入します。

  2. フィールドの割り当て

    • フィールドペインから「数値列」や「メジャー」をドラッグしてカードの「Fields」にドロップします。

    • 例:売上金額の列や、DAXで作成した利益率メジャーなど

  3. 表示形式の変更

    • 「形式」タブ(ペイントブラシアイコン)で「データラベル」や「カテゴリラベル」のオン・オフを切り替えたり、色やフォントサイズを変更できます。

2-2. マルチ行カード

  1. ビジュアルの選択
    同じく「ビジュアル化」ペインから「マルチ行カード」アイコンを選択し、キャンバスに配置します。

  2. フィールドの割り当て

    • 表示したい複数のフィールド(数値やテキスト)をドラッグし、「Fields」に追加。

    • 表示の順序は「Fields」リスト内で上下にドラッグすることで並び替えが可能。

  3. 形式設定

    • 単一カードと同様、ラベルや数値の色・サイズを調整できます。


3. カードビジュアルの活用シーン

  1. KPIダッシュボード
    経営指標や売上・利益など、特に重要な数値を大きく表示しておけば、マネジメント層にわかりやすく情報を提供できます。

  2. アラート用途
    例:在庫数が一定数以下になった場合、赤い背景色に変えて注意を促すなど。カードをトリガーにしてPower Automateで通知を送る仕組みも考えられます。

  3. レポートの概要表示
    レポート全体の各チャートを補完する意味で、例えば「総取引件数」「ユニーク顧客数」「平均注文単価」などをカードで表示し、概要を把握しやすくします。


4. デザインや機能のカスタマイズポイント

4-1. データラベル

  • 小数点の処理:売上や利益率の桁数を自由に設定する。

  • 単位の省略:数値が大きい場合、「K」「M」で短縮表示(例:1,000,000 → 1M)を使うと見やすい。

4-2. カテゴリラベル

  • オンにすると、カード上部(または下部)にフィールド名が表示されます。ビジュアルの目的を明確化するためにわかりやすいラベルをつけると良いでしょう。

4-3. 背景色や境界線

  • 通常は白地に黒文字のカードが多いですが、背景色や境界線を使い分けて強調できます。特定の閾値を超えた場合に条件付きフォーマットで色を変える、といった工夫も可能です。

4-4. ツールチップやブックマークとの連携

  • ツールチップに別途計算した前月比や前年同期比などの情報を入れておくと、ユーザーがカードにマウスオーバーした際に詳細を見られます。

  • また、ブックマークを使ってクリックで別ページに飛ぶなど、ダッシュボードの操作性を高める演出も考えられます。


5. 注意すべき点

  1. カードビジュアルはフィルターの影響を受ける
    ページレベルやレポートレベルのフィルター、スライサー設定によって数値が変動します。意図せずフィルターがかかっていないか常に確認しましょう。

  2. 文字が重ならないようにレイアウトを調整
    数値が大きい場合やフォントサイズを大きくしている場合、カード枠が小さすぎると数字が途切れることがあります。適切なサイズを確保してください。

  3. KPI要素を複数並べすぎると視点が分散
    4~5つ程度の主要指標だけをカードで強調し、その他の指標は別のビジュアル(表やチャート)で表示する方が見やすい場合が多いです。


6. まとめ

Power BIのカードビジュアルは、重要指標をシンプルかつ強調して表示するために非常に便利な機能です。単一カードで大きく一つの数字を見せるもよし、マルチ行カードで複数フィールドをコンパクトに整理するもよし。ダッシュボードのトップに配置しておくと、レポートの説得力や見やすさが大きく向上します。

  • メリット

    • 一目で大事な数字を伝えられる

    • ダッシュボードのデザイン性やわかりやすさを高める

  • 設定ポイント

    • 表示する指標や小数点、単位などのフォーマット

    • 背景色や文字色で見やすさを調整

    • スライサーやツールチップとの連携

  • 注意

    • フィルターの影響に留意

    • カード枠のサイズを確保して数字が途切れないように

    • KPIの数を絞り、重要な指標だけをカードで表示

カードビジュアルを上手に取り入れることで、情報過多になりがちなレポートをシンプルにまとめつつ、意思決定に必要な数値を的確に示せます。さらに高度な分析が必要になったら、外部の専門家のアドバイスを受けることも視野に入れ、継続的にレポートを改善していきましょう。


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