売上推移やアクセス数など、時系列データを可視化する際に活躍するのが「折れ線グラフ（ラインチャート）」です。Power BIでは、1つのビジュアル内に複数の折れ線を描画し、指標同士を比較できるのが大きなメリットとなります。本記事では、複数折れ線グラフをPower BIで作成する方法や、見やすく・伝わりやすいレポートを作るためのコツをわかりやすく解説します。
1. なぜ複数の折れ線グラフが必要なのか？
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指標の比較が簡単
売上高、利益率、顧客数など、複数の指標を同時にプロットすることで、どの要素が特に増減しているかを直感的に把握できます。 -
相関関係を探しやすい
例えば、広告費の増減に対して売上がどの程度反応しているのかなど、複数ラインの動きを目視で比較することで相関関係を見極めやすくなります。 -
意思決定のスピードが上がる
経営会議やチームミーティングで「A指標とB指標が連動しているか」「どの時点で大きな変化があったか」を迅速に判断できるようになります。
2. Power BIで複数折れ線グラフを作る基本手順
2-1. データ準備
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日付（または時系列を表す列）
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指標となる数値列（売上、利益、コストなど）
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区分けのための属性列（商品カテゴリ、地域など）（必要に応じて）
データが複数のテーブルに散らばっている場合は、Power Queryや関係設定で整理しておきましょう。
2-2. ビジュアルの選択
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Power BI Desktopの[レポート ビュー]を開く。
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「折れ線グラフ（ラインチャート）」のアイコンをクリック。
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空のビジュアルがキャンバスに挿入されます。
2-3. フィールドの配置
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軸（X軸）：時系列を表す列（例：日付）をドラッグ＆ドロップ。
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凡例（Legend）または「系列」：商品カテゴリや地域など、複数のグループを区別する列。
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値（Y軸）：売上や数量など、数値データを割り当てます。
このとき、凡例に列を設定すれば、その列のカテゴリごとに別々の折れ線が作成されます。または、複数の数値列を「値」欄に追加する方法でも、複数の折れ線を描画することができます。
2-4. 表示の調整
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フォーマット設定（ペイントブラシ アイコン）
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線の太さや色を変更して視認性を高める。
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データラベルや凡例の位置をカスタマイズして見やすくレイアウト。
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タイトルや軸ラベルを編集して、指標の意味を明確にする。
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3. 複数折れ線グラフを見やすくするための工夫
3-1. カラースキームの統一
折れ線が多い場合、それぞれが似た色だと判別しづらくなります。明暗や色相をはっきり分ける、ブランドカラーに沿った配色をするなど、カラースキームを工夫しましょう。
3-2. 軸のスケール調整
大きく乖離がある指標を同じY軸にプロットすると、一方の変動がほとんど見えなくなることがあります。その場合は、複合グラフ（折れ線と縦棒の組み合わせ）や2軸設定を検討するとよいでしょう。
3-3. 適切なカテゴリ数の制御
カテゴリが多すぎると折れ線が重なり、グラフが読みづらくなります。
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主要な上位数カテゴリだけに絞る
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フィルターやスライサーを使って表示を切り替えられるようにする
などの工夫で情報量を適度にコントロールしてください。
3-4. ツールチップやドリルダウンの活用
Power BIのツールチップ機能を使うと、マウスオーバーしたポイントの詳細情報を即座に表示できます。さらに、ドリルダウン機能を活用すれば、月別→日別といった粒度の切り替えもスムーズです。
4. 複数折れ線グラフの応用例
4-1. 売上と在庫推移の同時表示
売上と在庫水準を同じグラフに表示することで、在庫量の増減が売上にどのように影響しているかを分析しやすくなります。
4-2. プロモーション効果測定
広告費やキャンペーン期間を示す折れ線を重ね、売上やサイトアクセス数の動向と突合することで、施策の効果やトレンドのきっかけを把握できます。
4-3. IoTセンサー情報のモニタリング
温度や湿度、稼働時間など複数のセンサーデータを同時に折れ線グラフ化して、機器の稼働状況や異常検知に役立てる事例も増えています。
5. トラブルシューティング：複数折れ線グラフがうまく表示されない場合
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線が1本しか出ない
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データモデルに問題があるか、凡例（系列）欄に正しい列が設定されていない可能性。
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集計方法（例：合計、平均）が目的に合っているかもチェック。
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線同士が重なって見づらい
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カラー設定や幅設定を調整し、ツールチップを活用して詳細情報を補足。
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分割表示やフィルターでカテゴリを減らす。
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時系列が崩れている
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日付テーブル（Date Table）を正しく用意して、日付型の列が連携しているか確認。
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列のソート順が正常に機能しているかも要チェック。
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6. まとめ
Power BIで複数の折れ線グラフを作ることで、複数指標の動きや相関関係を一目で把握でき、ビジネス上の意思決定に役立つ高品質なレポートを作成できます。
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基本操作：折れ線グラフビジュアルを追加 → 軸に時系列、値に数値データ、凡例にカテゴリーや属性を設定
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見やすさを重視：カラーやスケールを調整し、カテゴリ数を適度に絞る
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応用：売上・在庫・広告費などの異なる要素を同時に可視化し、相関関係を深堀り
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