Power BI は豊富なビジュアルを用いてデータをわかりやすく表現できるツールですが、実務で使う際には「ビジュアルごとに異なる集計」や「複数の切り口を組み合わせた動的な計算」が求められるケースも少なくありません。そんなとき役立つのが「新しいビジュアル計算」の手法や機能です。今回は、Power BI でのビジュアルや新しい計算方法を組み合わせて、高度な分析を行うためのポイントや注意点をわかりやすく解説します。
なぜ「新しいビジュアル計算」が必要なのか?
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データの多角的な分析
単純な棒グラフや円グラフだけでは表現しきれない複合的な分析を行う場合、ディコンポジション ツリー (分解ツリー) や キーパフォーマンス指標を強調したビジュアル などが効果的です。これらの新しいビジュアルでは、一度に多くの切り口を表示・比較できるため、ビジネスインサイトが得やすくなります。 -
ユーザーエクスペリエンスの向上
新しいビジュアルの中には、インタラクティブな操作が可能なものもあり、ユーザーが自由にドリルダウンしてデータの詳細を探索できます。こうした操作性が上がると、非専門家でもデータ分析を楽しみながら意思決定に活かせるようになります。 -
複雑な計算・条件付き集計の要望に対応
Power BI の DAX 関数 や クイック メジャー と組み合わせることで、条件分岐や比較計算など、通常のグラフでは実装が難しいロジックを反映したビジュアルを作成できます。
Power BI で使える「新しいビジュアル」の例
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ディコンポジション ツリー (Decomposition Tree)
- KPI を要素ごとに分解し、どのカテゴリーや属性が数値に大きな影響を与えているかをビジュアル的に表示。
- たとえば、売上を製品カテゴリ・エリア・期間などあらゆる軸でドリルダウンしながら分析できるため、多面的なアプローチが可能です。
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キー インフルエンサー (Key Influencers)
- 指定したメトリクス(例: 売上が高いか低いか)に最も影響を与えている要素を自動的に算出・表示してくれる AI ビジュアル。
- 統計ベースのアプローチで、予想外の要因や組み合わせも見つけやすい点が特徴です。
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プレイ アクシス (Play Axis) やアニメーション付きビジュアル
- 時系列データを連続して再生し、変化をアニメーションで示す。散布図などで顧客行動や製品利用状況を動的に観察し、トレンドの把握に役立ちます。
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自作・カスタムビジュアル (Custom Visuals)
- Power BI のマーケットプレイスで提供されているカスタムビジュアルを導入すると、ガントチャートやサンキー図など、公式ビジュアル以外の表現も可能。
- 専用のツールやコードを使えば、独自のビジュアルを開発することもできます。
新しいビジュアル計算を活かした分析の流れ
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データの取り込み・クリーニング
- Power Query でデータを整備し、不要な列や欠損値を除去。ビジュアル表示に適したデータ構造を作る。
- 日付テーブルやディメンションテーブルをしっかり用意しておくと、ドリルダウンやフィルター機能がスムーズに動作します。
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DAX を使ったメジャー作成
- 新しいビジュアルを最大限に活かすには、DAX 関数で柔軟な集計ロジックを作っておくことが不可欠。
- たとえば、CALCULATE 関数を使って特定の条件を絞った数値を出したり、DATEADD 関数を用いて前年同月比を算出するなど、状況に応じて追加のメジャーを用意します。
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ビジュアルの選択・配置
- レポートページにて、ディコンポジション ツリーやキーインフルエンサーなど、目的に合ったビジュアルを選択。
- デザインの基本原則(配色やフォント、余白の使い方)を意識しながら、ユーザーが最も着目すべき情報を上部・中央に配置するなど、わかりやすいレイアウトを心がけます。
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インタラクション設定とテスト
- フィルターやスライサー、ビジュアル間の交互作用を設定し、ユーザーが自由にドリルダウン・ドリルアップできるようにします。
- 複数の新しいビジュアルを同一レポートに配置する場合は、相互のハイライトやフィルタリングが直感的に行えるように確認し、必要があれば「編集 > ビジュアル間の相互作用」から調整します。
注意点・トラブル防止のポイント
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計算負荷とパフォーマンス
新しいビジュアルや複雑な DAX 計算を多用すると、データ量が多い場合にパフォーマンスが低下する恐れがあります。必要に応じてデータモデリングを最適化し、集計テーブルを作成するなどの対策を行いましょう。 -
ユーザー権限・セキュリティ
AI ビジュアルなどを使って深堀り分析ができるのは便利ですが、閲覧権限やロールレベルセキュリティ (RLS) を正しく設定しないと、表示してはいけないデータが露出する可能性があります。アクセス権設定をしっかり確認しましょう。 -
バージョン互換性
カスタムビジュアルや一部の新機能は、Power BI Desktop のバージョンに依存することがあります。組織内で使う場合は、メンバーが同じバージョンを使っているか確認するとスムーズです。 -
使い過ぎに注意
便利なビジュアルを詰め込みすぎると、かえって画面が複雑になりユーザーが混乱する原因になります。レポートの目的や重要指標を明確にし、最適な数や種類のビジュアルを選びましょう。
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「新しいビジュアルを導入したいけれど設定が難しい」「DAX と組み合わせて高度な計算をしたい」「部署間でのデータ分析をどうスムーズに進めればいい?」など、Power BI やデータ活用の課題をお持ちの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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まとめ
Power BI はリリースされるごとに新機能や新しいビジュアルが追加され、分析の幅が拡大し続けています。ディコンポジション ツリーやキー インフルエンサーといった AI ベースのビジュアル、アニメーションを使った動的分析などを組み合わせることで、従来の棒グラフや折れ線グラフでは捉えられなかったインサイトを得ることができます。
ただし、高度な分析や新しいビジュアルは、正しいデータモデルと DAX の知識がないと真価を発揮できません。無料相談やハンズオンセミナーなどを活用して、具体的なノウハウを身につけてみてください。上手に新機能を取り入れることで、より多角的で魅力的な分析環境を構築できるはずです。
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