Power BIで相関係数を求める方法まとめ|売上と広告費の関係を“見える化”しよう!

データ分析をしていると、
「広告費を増やしたら売上も上がってるのかな?」
「残業時間が長い部署ほど離職率が高い?」
といった“関係性”を調べたくなること、ありますよね。

そんなときに役立つのが相関係数
そして、Power BIを使えばこの相関係数を誰でも簡単に可視化できます。

この記事では、Power BIで相関係数を算出・表示する方法を、初心者にも分かりやすく解説します。
Quick Measureを使った最短ルートから、DAXによる自作方法、散布図や相関行列の可視化まで、実務でそのまま使える内容です。


相関係数とは?数字の「一緒に動く度合い」を表す指標

相関係数とは、2つの数値の関係の強さを表す指標です。
値は -1〜+1 の間をとり、次のように読み取ります。

  • +1 に近い:強い正の相関(片方が増えるともう片方も増える)

  • -1 に近い:強い負の相関(片方が増えるともう片方は減る)

  • 0 に近い:関係が弱い(ほとんど無関係)

たとえば、「広告費と売上の相関係数が 0.85」なら、広告を増やすほど売上も伸びる傾向。
「残業時間と満足度の相関係数が -0.7」なら、残業が多いほど満足度が下がっている可能性を示しています。

このように、power bi 相関係数を使えば「なんとなく関係ありそう」をデータで証明できます。


Power BIで相関係数を出す最も簡単な方法

▶ Quick Measure(クイックメジャー)で自動算出

Power BIには「Quick Measure(クイックメジャー)」という機能があり、
たった数クリックで相関係数を自動計算できます。

手順

  1. モデリングタブで「クイックメジャー」を選択

  2. 一覧から「Correlation coefficient(相関係数)」を選ぶ

  3. 「Category」に比較対象の単位(例:店舗や日付)を指定

  4. 「Measure X」に広告費、「Measure Y」に売上を指定

  5. OKを押すと自動で相関係数が作成される

作成されたメジャーをカードに配置すれば、「相関係数 = 0.82」のように表示されます。
power bi 相関係数をリアルタイムで確認できる、とても便利な方法です。

ワンポイント

  • カテゴリ列がない場合は、Power Queryで「インデックス列」を追加して指定します。

  • フィルターやスライサーを組み合わせると、期間・地域別の相関係数を簡単に比較できます。


DAXで相関係数を自作する方法(理解が深まる)

Quick Measureでも十分便利ですが、
DAXで自分の相関係数メジャーを作ると応用が効きます。

DAXにはExcelの CORREL 関数が存在しないため、次のような式を使って計算します。

Correlation (AdSpend, Revenue) :=
VAR T =
FILTER (
ADDCOLUMNS (
VALUES ( 'Sales'[Store] ),
"x", CALCULATE ( AVERAGE ( 'Sales'[Ad Spend] ) ),
"y", CALCULATE ( AVERAGE ( 'Sales'[Revenue] ) )
),
NOT ( ISBLANK ( [x] ) ) && NOT ( ISBLANK ( [y] ) )
)
VAR meanX = AVERAGEX ( T, [x] )
VAR meanY = AVERAGEX ( T, [y] )
VAR num = SUMX ( T, ( [x] - meanX ) * ( [y] - meanY ) )
VAR denX = SQRT ( SUMX ( T, ( [x] - meanX ) * ( [x] - meanX ) ) )
VAR denY = SQRT ( SUMX ( T, ( [y] - meanY ) * ( [y] - meanY ) ) )
RETURN DIVIDE ( num, denX * denY )

これをメジャーとして登録すれば、
どんな組み合わせ(広告費×売上、満足度×リピート率など)でも相関係数を出せます。


散布図で相関を“見てわかる”形に

数値だけでなく、散布図を使うと関係性が一目でわかります。

手順

  1. 「散布図」ビジュアルを追加

  2. X軸に広告費、Y軸に売上を設定

  3. 詳細(もしくは凡例)に店舗や日付を追加

相関が強いほど、点が右上がりまたは右下がりの帯状になります。
カードに表示した相関係数とセットで使うと、分析の説得力がぐっと上がります。


相関行列で複数指標の関係を俯瞰する

「広告費と売上だけでなく、他の指標もまとめて見たい」
というときに便利なのが**相関行列(Correlation Matrix)**です。

指標 広告費 売上 客数 満足度
広告費 1.00 0.85 0.78 0.10
売上 0.85 1.00 0.92 0.12
客数 0.78 0.92 1.00 0.08
満足度 0.10 0.12 0.08 1.00

Power BIでは、DAXを少し工夫すればこの相関行列も作れます。
条件付き書式で色をつけて、+1に近いほど赤、-1に近いほど青に設定すると、
どの関係が強いかが一目瞭然になります。


よくあるつまずきポイント

① カテゴリが設定されていない

相関係数を出すには、1対1で対応するカテゴリ(店舗・日付など)が必要です。
無ければインデックス列を追加して対応しましょう。

② 欠損値や外れ値の存在

欠損値(BLANK)や極端な数値は相関を歪めます。
FILTER で除外したり、データを整えることが大切です。

③ 因果関係とは違う

相関係数が高いからといって「原因と結果」ではありません。
Power BIで相関を見つけたら、次のステップとして仮説検証を行うのが正しい使い方です。


実務での活用アイデア

  • マーケティング分析:広告費と売上の相関を見て効果的な予算配分を判断

  • 人事分析:研修参加率と社員評価スコアの関係を可視化

  • 製造業:稼働時間と不良率の関係をチェック

  • カスタマーサクセス:対応スピードと顧客満足度の相関を確認

このように、power bi 相関係数はどの部門でも使える万能ツールです。
「感覚ではなく、データで説明する」ことができるようになります。


まとめ:相関係数を使って“関係性”をデータで語ろう

Power BIで相関係数を活用すると、
バラバラな数字が「意味のある関係」に変わります。

  • Quick Measureなら数クリックで作成できる

  • DAXで自作すれば柔軟に応用可能

  • 散布図や相関行列で直感的に可視化できる

power bi 相関係数は、分析の第一歩を踏み出すための最高のツールです。
「なんとなく」を「確信」に変えるデータ分析、ぜひ今日から始めてみましょう。


✅ この記事のポイントまとめ

  • Power BIで相関係数を求めるならQuick Measureが最短

  • カテゴリ列(ペア)は必ず指定する

  • 散布図で関係を目で確認する

  • 相関行列で全体の関係を俯瞰

  • 相関は因果ではないが、仮説の出発点になる


💬 終わりに

相関係数は「関係を見つける」ための道具です。
Power BIを使えば、数字が“語り出す”瞬間をあなた自身の目で確かめられます。

次回は「Power BIで回帰分析を行う方法」についても詳しく紹介します。
データを活かした意思決定を、もう一歩先へ進めましょう。

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